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ブログページに「就職活動における学歴採用について」を追加しました。

就活サイトが学歴で学生を区別していたのではないかとニュースになっています。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6411777

昔は学歴が就職に影響することは公然の事実でした。
いつからか、採用時に学歴を基準にすると表立って公表することが控えられるようになりました。
確かに、職種によっては、学歴よりも体力が必要であったり、他人とのコミュニケーション能力が重視される仕事もあるため、学歴が絶対の基準となるわけではないと思います。
しかし、一般的には、学生の能力を判断する基準として、学歴やスポーツなどの実績というのは分かりやすいものです。
逆に、人柄やコミュニケーション能力などは、数回の面接ではなかなか判断しづらいところがあります。
したがって、実際のところ、今でも就職に学歴は影響していると思います。ただ、表立って言えなくなっているだけです。
そうなると、表立って言っていた頃よりも、採用側・応募側双方にとって、非効率的なことが起こります。
はじめから採用の可能性がないのに、分からないために応募してくる学生、それに対して付き合う採用側。双方にとって無駄が生じてしまいます。

私が就職活動を行った頃、今から30年近く前ですが、実は本当のライバルは他大学の人ではなく、同じ大学の人だということを教えてもらいました。
どういうことかと言うと、普通、就職活動において、自分より上の大学の人が一緒の面接になったらどうしようとか、自分よりいい大学の人がたくさん応募したら自分の入れる枠が無くなるのではないかと考えがちです。
しかし、当時、ほとんどの企業、特に大企業は、各大学の学生を何人ずつ採用するかといった内訳をほぼ決めていました。それは、社内の人間の構成を変えないためであったり、各大学の就職課とのつながりであったりと、様々な理由があるのでしょうが、結論として、毎年この大学からは5人程度、この大学からは3人程度、これ以下の大学からはまとめて何人程度などと決めていることが多かったのです。
実際に、当時、私が自分の通っていた大学の就職課で毎年の就職先の人数を見たところ、毎年、企業ごとに採用される人数がほぼ一定でした。
つまり、自分の大学より上の大学の人が同じ会社の面接に現れたとしても、はじめから別枠なのです。
したがって、同じ会社を目指す同じ大学の人間がライバルということになるのです。
また、そのようにレベル別に各大学から何人という採用をする場合、当然ですが、例えば東大枠で採用された人と、その他大勢の大学枠で採用された人が、全く同じ業務内容についたり、同じように昇進するということはありません。採用側も、いわゆる幹部候補生としての採用とそれ以外の者を分けて採用していました。もっとも、入社後めまぐるしい実績を上げた場合、ある程度の逆転はあり得るかもしれません。ただ、学閥の強い会社では、東大や京大じゃないと役員には絶対になれないといった話も聞いたことがあります。

私も就職活動時に上記の話を聞いた時は、正直目からウロコでした。
なにぶん平成初期の話であり、今でもこういった採用方法なのかは分かりませんが、もし今でもそういった採用方法をしている会社があるのであれば、変に隠さずに公表してあげた方が、むしろ学生にとっても、無駄な就活が省けたり、企業選びに失敗せずにいいのではないかと思ったりしています。
ただ、表立って言ってしまうと、枠から外れた大学の就職課などから、あの会社はけしからんとクレームが付いたりして、大変なのかもしれませんね。

なお、学歴で採用に差があることが、許されない差別にあたるかどうかについて、最後に触れておきたいと思います。
日本国憲法14条は法の下の平等を定めており、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されないと定めています。
これは、各人の人種や信条などによって差別されてはならないという内容ですが、問題は、学歴による区別は、能力による差別にあたるのではないかという点です。
しかし、学歴は、生まれ持った能力のみで決まるものではなく、その後の努力なども含めて決まるものです。
つまり、人種や性別、出身地などのように、本人の努力いかんでは何ともしがたい内容とは異なります。逆に、生まれ持った能力があったとしても、努力しなければいい結果は得られません。
憲法が定める平等も、全ての結果において平等にしなければならないと言っているのではなく、同一の事情と条件の下では均等に扱うように求めているものです。つまり、同じチャンスを与えられていれば、結果は異なっても、それは平等といえるわけです。これを機会の平等といいます。憲法が定めているのは結果の平等ではなく、機会の平等です。結果の平等まで求めてしまうと、それこそ収入に差があることさえ不平等だということになってきます。
したがって、学歴によって採用に区別があることは、許されない差別とまではいえないものと考えられています。