ブログページに「期限の利益喪失条項が付いている和解・調停調書の強制執行について」を追加しました。
先日、和解調書・調停調書での強制執行に必要な書類について書きました。
(2025/11/28 和解調書・調停調書での強制執行について)
そこで書いたように、和解調書・調停調書においても、執行文が必要となります。
では、期限の利益喪失条項が付いている場合、どういう執行文を申請すればよいのでしょうか。
(期限の利益喪失条項については、(2025/12/8 和解・調停における期限の利益喪失条項について)を参照)
相手方が支払いを怠ったことが条件ですから、条件成就執行文のようにも思えます。
しかし、条件成就執行文は、条件を成就したことを申立側で証明する必要があります。
例えば相手方に対して解除の意思表示をしたことが条件であれば、解除の意思表示を内容証明郵便で送って、その写しを付けて執行文付与申請をすれば済みます。
ところが、相手方が支払いを怠ったことを証明するには、相手方が支払っていないという資料を付けて出すことになりますが、それは困難です。何もしていないという証明は一般的に難しく、悪魔の証明とも言われます。
逆に、支払ったことを主張する側が、支払ったことを証明するには、振込んだ銀行の伝票、通帳の記録など、簡単に出せる資料があります。
したがって、期限の利益を喪失したことによる強制執行の場合でも、申請する執行文は、単純執行文(普通の執行文)ということになります。
なお、相手方がきちんと支払っているのに、申立人が嘘をついて執行を申し立てた場合は、相手方から請求異議の訴え及び強制執行停止の申立てを行うことになります。また、場合によっては損害賠償請求も考えられます。
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