新着情報

ブログページに「消滅時効と時効の更新(中断)」を追加しました。

前回のブログで、消滅時効期間について述べました。その中で、消滅時効とは、一定期間権利を行使しないことで、権利が消滅する制度だと述べました。ここでいう権利を行使するとはどういうことでしょうか。   一般的な言葉の意味から考えると、相手方に対し、「貸金の〇〇円を返してくれ」「〇〇の代金を支払ってくれ」と請求することで権利を行使したことになるように思えます。 しかし、時効期間を止めるための権利行使は、単に「返してく...

ブログページに「消滅時効と民法改正」を追加しました。

平成29年に民法の一部が改正され、令和2年4月1日から施行されています。その中でも消滅時効に関する規定は大きく変更されています。 すでに施行から3年ほど経過しましたが、重要なところなので、時効について再度確認しておきたいと思います。   消滅時効とは、一定期間、権利を行使しないことで、権利が消滅する制度です。 なお、一定期間が経過すると自動的に権利が消滅するのではなく、請求された相手方が、「時効なので支払いま...

ブログページに「自筆証書遺言の日付について」を追加しました。

自筆証書遺言とは、民法で定められた遺言書の作成形式の1つで、遺言者が全文を自筆で書き、作成した日付、氏名を記入し、押印するものです(民法968条1項)。全文自筆、日付・氏名の記入、押印のうち、1つでも欠けると遺言として成立しません。 その自筆証書遺言をめぐり、令和3年に興味深い判決がありました。 遺言者が、入院中の平成27年4月13日に、遺言書の全文、同日の日付、氏名を記入し、退院後の同年5月10日に、弁護士の立...

ブログページに「公益通報者保護法とは」を追加しました。

このブログではどちらかというと個人向けの話題(破産、離婚、相続)を中心に書いてきましたが、今回は企業向けに、公益通報者保護法について書きたいと思います。もちろん、企業で働く個人の方にも無関係ではありません。   公益通報者保護法については、何となく名前を聞いたことがあるという人も多いかもしれません。会社の不正行為を内部で知った従業員などが、不正の事実について通報しやすくし、それによって会社の不正行為を事前に防...

ブログページに「相続と遺産分割⑥」を追加しました。

今回は、相続放棄についてお話したいと思います。 相続放棄とは、被相続人の法定相続人である者が、相続しない意思を家庭裁判所へ申述する手続です。 家庭裁判所へ申述することが必要ですので、例えば書面に「自分は相続を放棄する」と書いて実印を押したとしても、それだけでは相続放棄したことにはなりません。 遺産分割協議の中で、自分は遺産は受け取らないと記載し、他の相続人が取得する内容に同意する協議書を作成し、押印したとしても、...

ブログページに「相続と遺産分割⑤」を追加しました。

今回は、遺産分割の具体的な手続についてお話ししたいと思います。 遺産分割は、相続人の間で、遺産を具体的にどのように分けるのか決めることです。被相続人が亡くなった場合、普通、遺産として、預貯金、不動産、自動車、有価証券など、様々なものがあります。 それらを相続人のうち誰が、どのように、いくら取得するのかということを決める必要があります。 例えば銀行預金は、名義人が亡くなった場合、相続人の1人が払い戻しの手続を行って...

ブログページに「相続と遺産分割④」を追加しました。

今回は、遺言の効力と遺留分についてお話ししたいと思います。   遺言において、遺言者は、自らの財産につき、誰にどのように相続させるといった内容を定めることができます。遺言で書かれた内容は、法定相続分と異なっていてもかまいません。むしろ、通常はそのために作成されるものと思われます。 例えば、相続人として子供が3人おり、長男はとてもよく面倒を見てくれたが、次男と三男は家にも寄り付かず、あまり面倒を見てくれなかった...

ブログページに「相続と遺産分割③」を追加しました。

今回は、遺言についてお話させていただきます。 遺言とは、自分が亡くなった後、自分の財産をこのように分けて欲しいと記載して、生前に意思表示しておくものです。   遺言の種類としては、普通の方式のものとして、3種類あります。 1つ目は自筆証書遺言。2つ目は公正証書遺言。3つ目は秘密証書遺言です。   自筆証書遺言は、遺言者が自分で紙に書いてのこす遺言です。 遺言者が中身の全文と、日付、氏名を自筆で記入し、押印...

ブログページに「相続と遺産分割②」を追加しました。

前回に続き、相続と遺産分割についての基本的な話をしたいと思います。 前回は相続の開始と相続人についてお話ししました。   今回は、各相続人の法定相続分についてお話したいと思います。 まず、相続人が配偶者と子の場合、相続分はそれぞれ2分の1となります。配偶者がおり、子がおらず、被相続人の親が生きている場合は、配偶者が3分の2、親が3分の1となります。配偶者がおり、子も親もおらず、被相続人の兄弟姉妹がいる場合は、...

ブログページに「相続と遺産分割①」を追加しました。

前回のブログでは、遺留分侵害額請求の話をしましたが、そもそも相続はどのように開始し、相続分とはどのように決まるのでしょうか。また、遺産分割はどのように行われるのでしょうか。 今回から、何回かに分けて、相続と遺産分割について、基本的な話をしたいと思います。   まず、相続はいつ発生するのでしょうか。 この点、相続は、被相続人の死亡によって開始します(民法882条)。 相続の放棄や遺産分割は、相続が開始しているこ...