2022年7月12日

遺留分減殺請求から遺留分侵害額請求へ

令和元年7月1日から、民法改正により、これまで遺留分減殺請求とされていたものが、遺留分侵害額請求へと変更されました。

遺留分とは、相続において、被相続人がほかの相続人へ全て相続させるような遺言を遺したとしても、奪われない相続分のことです。

例えば、遺産として土地と預貯金があったとします。
土地の評価額が2000万円、預貯金が1000万円だとすると、合計3000万円の遺産があることになります。

法定相続人が、被相続人の子2人、例えば兄と弟だとすると、本来の法定相続分は2分の1ずつですから、普通に遺産分割を行うと、兄と弟で遺産のうちの1500万円分ずつを分けるというのが原則です。

しかし、ここで被相続人が、兄に遺産の全部を相続させる遺言を遺していたとします。
その場合、弟は何も取得できないように見えますが、民法上は、遺留分として、本来の法定相続分の半分が保証されています。
したがって、この例でいうと、本来の法定相続分1500万円分のうち、半分にあたる750万円分を取得することができます。これが遺留分です。

そして、従来は、遺留分減殺請求として、遺言で全部を取得した兄に対して、遺産のうち750万円分を渡せという請求をしていました。
その場合、不動産の一部を渡してもいいし、預貯金の一部を渡してもいいし、遺産のうちから750万円分を何らかの形で渡すことになっていました。

ところが、令和元年7月1日から、遺留分侵害額請求という方法に変更されました。
これは、遺産のうちから遺留分に相当する分を渡すのではなく、遺産は遺言どおり指定された相続人が全部取得した上で、遺留分にあたる金額を、金銭で渡すというものです。
上の例でいうと、兄が土地も預貯金も全て取得した上で、弟に対し、遺留分に相当する750万円を、金銭で支払うことになります。

もっとも、話し合いでそれと異なる方法で合意することは自由ですから、従前のように、不動産や預貯金の一部を渡すことで兄弟で合意できるなら、そういった方法で行ってもかまいません。
しかし、話し合いで合意できなかった場合、裁判所に訴えて、そこでも和解の話し合いがまとまらず、判決をもらう場合は、金銭での支払いが命じられることになります。

トラックバック(0) コメント(0) 
ホームページ制作はオールインターネット