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中小企業と株主総会

毎年今の時期は株主総会が多く開かれます。

定時株主総会は、一般的に、事業年度終了後、3か月以内に開かれます。
これは、株主の議決権が、基準日から3か月以内に行使する必要があるという会社法上の理由、及び、事業年度終了後、確定申告を行う期限が最大3か月(原則2か月)という税法上の理由があります。

日本の会社は3月末決算が多いので、6月に株主総会を開く会社が多いのです。

そもそも、株主総会とは何でしょうか。
株主は、会社に対する出資者ですが、出資と引き換えに、会社に意見を反映させるための議決権、及び、会社の利益配当を受ける受益権を持ちます(議決権や受益権が制限された株式もありますが、ここでは原則的な株式について述べます)。

したがって、株主は会社の1年間の経営状況、及び、計算書類等について報告を受け、意見を述べる機会を保障される必要があります。
それが株主総会であり、そのように株主にとって重要な機会なため、あらかじめ招集通知を送付し、いつ、どこで株主総会が開かれるのか、どのような議題について話がされるのかを、通知する必要があるのです。

会社法上、株主総会の招集通知は、公開会社で2週間前までに、非公開会社の場合で1週間前までに発送することが必要です。
公開会社とは、株式の譲渡に制限のない会社、非公開会社とは、株式の譲渡に会社の承認が必要な会社です。

中小企業の場合、株式の譲渡に会社の承認が必要とされていることが多く、非公開会社がほとんどですので、一般的には1週間前までに招集通知を発送することになります。

なお、家族経営のような会社で、株主全員が同意していれば、招集手続を省略することもできます。
さらに、個人事業を法人化したような会社では、株主も代表取締役1人だけということがあります。
そのような会社を1人会社というのですが、その場合は、株主総会といっても結局1人が全部判断して決めてしまいますので、総会を開いた旨の議事録を作成し、保管しておけば足ります。

 

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