幾波法律事務所公式ブログ

話題のニュース

東京の予備校の倒産について

新年早々、東京の予備校が突然倒産したニュースがありました。大学入学共通テストまで約2週間の時期に突然の倒産で、受験生が困惑しているようです。資金繰りが悪化していたとのことで、破産はやむを得ないのかもしれませんが、受験というシーズンが決まったものを扱っている業者としては、この時期に破産に至ることは受験生に対してとても気の毒に思います。 せめて3月まで、受験が終わるまで営業を継続できなかったのかと思いますが、ニュースに...

誤送金問題における弁護士費用について

世間をにぎわせている4630万円の誤送金問題で、町が返金を求めて訴訟を提起した際に、弁護士費用等で約500万円を上乗せ請求していることに関して、インターネット上の一部週刊誌の記事で、弁護士費用が高すぎるのではないか、中にはぼったくりではないかと書いているものがありました。 しかし、これは訴訟上の弁護士費用について誤解したものであり、特に週刊誌がこのような記事を掲載していることに驚きました。   まず、担当弁護士...

就職活動における学歴採用について

就活サイトが学歴で学生を区別していたのではないかとニュースになっています。 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6411777   昔は学歴が就職に影響することは公然の事実でした。 いつからか、採用時に学歴を基準にすると表立って公表することが控えられるようになりました。 確かに、職種によっては、学歴よりも体力が必要であったり、他人とのコミュニケーション能力が重視される仕事もあるた...

法定刑を超える判決

令和3年2月9日のニュースで、東京地裁の裁判官が、法定刑の上限が2年の罪に対して、2年6か月の懲役(執行猶予付)を言い渡したニュースがありました。検察官が誤って法定刑以上の求刑を行い、裁判官も見逃してそのまま言い渡したようです。 刑事裁判ではまず検察官が求刑として量刑に関する意見を述べ、弁護人が反対の立場から検察官の量刑に対して意見を述べ、両者の意見を聞いた裁判官が最終的に量刑を決定します。 したがって、仮に検察...

不倫相手への慰謝料請求

本日の最高裁判決、不倫相手には慰謝料を請求できないという判決がニュースになっています。   ネットのコメント欄などには、「全国の間男に朗報」など、不倫相手の責任を否定するかに見える判決に対し、批判的なコメントが書かれています。 しかし、この判決は不倫相手に「何らの」慰謝料も請求できないという内容ではありません。   そもそも、不倫相手への慰謝料とは何でしょうか。 まず、夫婦間においては、互いに貞操義務があ...

倒産手続について(はれのひ事件に関して)

今年、世間を騒がせた「はれのひ」の破産がありました。 破産自体が詐欺じゃないか、なぜお金が返って来ないのか、といった声が上がりました。破産手続との関係で、少しお話したいと思います。   破産原因として、支払不能という概念があり、支払不能とは、一般的継続的に弁済することができない状態を指します。 支払不能を推定させるものとして支払停止があり、手形の不渡りなど、支払ができない旨を外部に表示する行為を指します。 ...