幾波法律事務所公式ブログ

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相続登記の義務化と経過措置について

すでにご存じの方も多いかと思いますが、令和6年4月1日から、相続登記が義務化されます。相続登記とは、不動産所有者が亡くなった場合に、相続人へ登記名義を変更することをいいます。   登記はその不動産を誰が所有しているかを示すものですから、亡くなっているにもかかわらず名義が変更されていないと、現在の本当の所有者が分かりません。 これまでは所有者が亡くなって相続登記をせずに放置していても、特に罰則はありませんでした。...

年末年始について

今年も大変お世話になりました。 当事務所の営業は、年末は12月28日まで、年始は1月5日からとなります。 来年もよろしくお願い申し上げます。

相続における死亡保険金と遺産への持ち戻しについて②

前回のブログにおいて、相続における死亡保険金と遺産への持ち戻しについて、一般論を述べました。 原則として受取人指定の死亡保険金は遺産にカウントされないが、「保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合」には、死亡保険金を遺産に持ち戻すように命じるのが最高裁判例の考え方です。 その明確な...

相続における死亡保険金と遺産への持ち戻しについて①

生命保険の死亡保険金を受取人指定していた場合、遺産分割の対象にならないという話を聞いたことがあるかと思います。   例えば父親が亡くなって、兄弟が3人いるにもかかわらず、生命保険の死亡保険金の受取人を長男に指定しているということがあります。 この場合、父親の遺産分割において、兄弟3人の法定相続分は3分の1ずつとなるはずですが、この死亡保険金については原則として遺産分割の対象とはなりません。 すなわち、遺産とし...

祖父母から離婚した親に対し孫の面会交流審判を求めることの可否

離婚後、子の親権を持った親に対し、他方の親から子の面会交流を求めることはよくあると思います。 それでは、親以外の第三者から親権を持った親に対して子の面会交流を求めることはできるのでしょうか。 それに対する判断を示したのが、令和3年3月29日の最高裁決定です。   事案としては、両親A・Bが婚姻中、両親A・Bと子と祖父母(Aの親)が同居していました。しかし、離婚によりAとBが別居し、その後交代で子を監護すること...

遺言書の検認

遺言書の検認という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。 遺言書は、遺言の作成者が遺言の全文、日付、氏名を自筆で書いて押印する自筆証書遺言や、公証役場で公証人に作成してもらう公正証書遺言などいくつかの種類があります。 そのうち、公正証書遺言以外の遺言については、家庭裁判所で検認という手続が必要です。 (遺言の種類・要件については、以前にも詳しく書いたことがあります。こちらをご参照ください)   検認は、...

消滅時効と時効の更新(中断)

前回のブログで、消滅時効期間について述べました。その中で、消滅時効とは、一定期間権利を行使しないことで、権利が消滅する制度だと述べました。ここでいう権利を行使するとはどういうことでしょうか。   一般的な言葉の意味から考えると、相手方に対し、「貸金の〇〇円を返してくれ」「〇〇の代金を支払ってくれ」と請求することで権利を行使したことになるように思えます。 しかし、時効期間を止めるための権利行使は、単に「返してくれ...

消滅時効と民法改正

平成29年に民法の一部が改正され、令和2年4月1日から施行されています。その中でも消滅時効に関する規定は大きく変更されています。 すでに施行から3年ほど経過しましたが、重要なところなので、時効について再度確認しておきたいと思います。   消滅時効とは、一定期間、権利を行使しないことで、権利が消滅する制度です。 なお、一定期間が経過すると自動的に権利が消滅するのではなく、請求された相手方が、「時効なので支払いま...

自筆証書遺言の日付について

自筆証書遺言とは、民法で定められた遺言書の作成形式の1つで、遺言者が全文を自筆で書き、作成した日付、氏名を記入し、押印するものです(民法968条1項)。全文自筆、日付・氏名の記入、押印のうち、1つでも欠けると遺言として成立しません。 その自筆証書遺言をめぐり、令和3年に興味深い判決がありました。 遺言者が、入院中の平成27年4月13日に、遺言書の全文、同日の日付、氏名を記入し、退院後の同年5月10日に、弁護士の立...

相続で、亡くなった父親が寄付をしていた場合

今日のヤフーニュースで、病院で亡くなった父親に3億円を寄付させたのは公序良俗に反し無効だとして、病院と主治医を相手に損害賠償請求したケースが紹介されていました。 ヤフーニュースはこちら   遺族からすると、父親が相続人でもない病院に対し、3億もの寄付をするはずがない、病院がさせたのだろうと考えています。 病院の方は、正当な手続を経て寄付金を受け入れていると主張しています。   このようなケースは、例えば兄...