2020年6月25日

任意整理のメリット

今回は任意整理について書いてみたいと思います。
任意整理とは、破産や個人再生などの裁判所の手続を利用しないで、貸金業者と個別に交渉して、支払が可能な範囲で支払方法を変更する話し合いのことです。

例えば自宅を所有している場合、破産手続を行うと自宅を失うことになります。また、会社の役員が破産する場合、いったん役員を辞める必要があります。任意整理は、そういったデメリットを回避することができます。

貸金業者の利率は、最近は利息制限法の規制以下となっており、昔に比べると下がりましたが、それでも一般的に年15~20%と高額です。
毎月の返済金額によってはほとんど利息の返還だけを行っている状態に陥り、いつまで経っても元本が減らない(返し終わらない)というケースが見受けられます。

任意整理を行うと、まず現在の元利金の合計を確定させ、それを通常は最大60回(5年間)程度の分割で支払う交渉をします。
つまり、支払額の合計を確定させてしまうので、いつまでも利息が発生し続けて、返済が終わらないという状態にはなりません。
5年間で支払を終える内容で任意整理をした場合、当然のことですが、5年間の支払が終われば返済が終了することになります。

任意整理のやり方ですが、現在の収入から、生活に最低限度必要な金額を除いて、毎月返済にいくら充てることができるかを計算し、その範囲内で毎月返済していくように計画を立てます。
貸金業者が任意整理に応じる返済期間として、一般的には60回程度が限度となります。
したがって、負債全体の金額を60回で割った金額が、毎月返済に充てることができる金額の範囲内であれば、任意整理が可能ということになります。

具体例で説明します。
負債の合計が200万円とします。
これを60回で返済するには、毎月約34,000円が必要となります(単純に60で割ると33,333円ですが、返済の際に銀行の振込手数料が必要となりますし、複数の業者へ返済するのであれば複数の振込手数料が必要となりますので、少し余裕をもって計算しています)。

したがって、理屈上は、月の収入から毎月の生活費を除いて月34,000円程度を返済に充てられるのであれば、任意整理が可能ということになります。
逆に、月の収入が少なく、月の返済金額として2万円程度しか用意できないというのであれば、返済に100回以上かかってしまいますので、任意整理は難しいということになります。
その場合は、破産または個人再生をお勧めすることになるかと思われます。

※なお、上記の例はあくまで単純に数字を計算した場合です。
実際のケースでは、貸金業者ごとに対応が異なる場合や、負債残高によって返済回数の限度がより厳しい場合もあります。
個々のケースごとの判断はご相談いただければと思います。

<まとめ>

現在の残高(または和解時の残高)で固定する。
これ以上利息を発生させない。

任意整理をしない場合:法定利率でも年15~20%
(返しても返しても減らない)

これ以上利息を発生させないことで、数年後に返済が完了するメドが立つ。

原則5年(60回)以内(金額などによっては例外もあり)。

それでも無理な場合は、普通に返済できる金額ではないので、破産をおすすめする。

ただし、自宅を残したいなどの事情がある場合は個人再生へ。

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