相続と遺産分割①
前回のブログでは、遺留分侵害額請求の話をしましたが、そもそも相続はどのように開始し、相続分とはどのように決まるのでしょうか。また、遺産分割はどのように行われるのでしょうか。
今回から、何回かに分けて、相続と遺産分割について、基本的な話をしたいと思います。
まず、相続はいつ発生するのでしょうか。
この点、相続は、被相続人の死亡によって開始します(民法882条)。
相続の放棄や遺産分割は、相続が開始していることが前提となりますから、被相続人の死後に行わなければならず、被相続人の生前に相続放棄や遺産分割の手続をしても、無効となります。
もちろん、正式な相続放棄や遺産分割は被相続人の死後に行うことにして、被相続人の生前に相続人の間で遺産分割の方法などについて協議しておくことはかまいません。遺産が多岐にわたり、また、被相続人が会社の経営などにも関与していた場合は、事前にある程度決めておいた方がスムーズな場合もあります。
もっとも、正式な手続としては、被相続人の死後でないと行えないということになります。
次に、相続人になれる者は誰でしょうか。
被相続人の配偶者は、必ず相続人となります。
過去に配偶者であった者、つまり、離婚した配偶者は相続人にはなりません。
子は必ず相続人となります。離婚した配偶者との間の子で、離婚後は会っていないようなケースであっても、被相続人の子である以上は相続人となります。
孫がいる場合で、子が被相続人より先に亡くなっている場合、孫が相続人となります。これを代襲相続といいます。
子も孫もいないが、被相続人の親がまだ生きている場合は、親が相続人となります。
親も亡くなっている場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。
次回は、これらの相続人の法定相続分についてお話したいと思います。