民法改正(債権法)について
先日、ある業界団体の会合にて、改正民法に関するセミナーを行って来ました。
来年4月1日から、改正民法(債権法)が施行されます。
民法には財産法と家族法の分野があり、財産法の中には物権法と債権法があるのですが、今回の改正にかかる部分は債権法です。
債権法はこれまで大きな改正がなく、明治29年の民法成立以来、121年ぶりの改正と言われています。
主な改正点は、時効期間の統一、法定利率の改正、個人根保証契約の範囲の限定、瑕疵担保責任の改正、などがあります。
特に、時効期間の改正、瑕疵担保責任の改正などは大きな改正となります。
これまで細かく定められていた消滅時効の期間が、概ね5年間に統一されます。
売買や請負などの瑕疵担保責任は、商品や仕事に欠陥があった場合に、修繕や損害賠償を請求できる権利ですが、今後は契約不適合責任として、債務不履行(契約どおりの商品を提供しなかった)責任の1つとなります。
請求できる期間も、従来は商品の引渡しや仕事の完成から何年と定められていましたが、改正法では不適合の事実を知ってから1年以内にその事実を通知すればよいことになりました。
もっとも、これらの改正内容は、契約で別の定めをすることも可能です。
そのため、改正法を踏まえ、きちんとした契約書を作成することが重要になります。
改正法に関するセミナーや、契約書の作成、チェックなども行っておりますので、必要があればご相談ください。